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川原湯温泉――ダムの底に沈む、古き良き温泉街

2007.05.03 Thursday | 温泉

先日、Exciteの記事を読んでいて、驚いた。なんと、川原湯温泉が紹介されていたのだ。

川原湯温泉――などと聞いても、ほとんどの人は知らないだろうと思う。

川原湯温泉とは、かの一大温泉観光地、草津の隣にある、さびれた温泉だ。この川原湯温泉の歴史は古く、1193年に、源頼朝が狩をしている最中に発見したとされる。

ずっと以前にも記事を書いたが、私は昔から一人旅が好きで、小学生の頃から一人で特急に乗ってあちこち出歩いていた。
(ちなみに、高校時代の貧乏旅行についてはここに記事を書いている)

川原湯温泉も、かつて私が一人で旅した地の一つであり、現在私がもっとも愛する温泉地の一つでもある。

私が川原湯温泉を訪れたのは、12月の中旬だった。上越線・渋川駅から吾妻線に乗り換え、普通列車に揺られること1時間ほどで、“川原湯温泉駅”に到着する。

川原湯温泉駅

川原湯温泉駅の素朴な駅舎

川原湯温泉駅2


 
相対式ホームの小さな駅舎を出て、西に向かって坂道をしばらく登っていくと、古い温泉街が現われてくる。

この温泉街で、ひときは目を引くのが、“王湯”。風情ある共同浴場だ。

王湯には、露天風呂と屋内風呂の二つがあり、自由に行き来できる。

王湯
王湯の露天風呂。もちろん掛け流しである。


さすがに造りは古く、昨今はやりの温泉レジャー施設などと比べると華やかさには欠けるが、湯の質はかなり良いようで、温泉からあがると、肌がつるつるした感覚になっていた!

王湯では、温泉につかりながら、無料で飲泉もできるようになっている。
(いいサービスだ)

ちなみに、泉質は“含硫黄-塩化物・硫酸塩温泉(中性低張性高温泉)”だそうで、飲むと体にもいいらしい。


もちろん、温泉の効用は、体に対するだけのものではない。

私が行ったときは――私以外に客の姿はなく、貸し切り状態だった。

そして、――私が川原湯温泉を訪れたのは、冬のさ中だったわけだが、雪も少なく、露天風呂から冬枯れた木々の林を眺めていると、スーッと心が静まっていき、――時が止まったかのような感覚に、しばし浸ることができたのだった。

あわただしい時の流れから一歩外に抜け出して、一息ついているような――。

これを“癒し”というのだろうか。

当時、不幸のどん底にあった私にとって、この“静かな時間”は――たとえ一時的にではあっても――とても大切な時間だった。



さて、この、私好みの温泉地である川原湯温泉は、――Exciteにも書かれているように、八ツ場ダムの建設により、数年後にはダムの底に沈むことになっている。

つまり、本当に「思い出」の中だけに存在する地となってしまうのだ。

いい温泉地だったのに――


皆さんも、一度川原湯温泉を訪れてみてはいかがだろうか?

本当に、幻となってしまう前に……

(東京からなら、特急「草津」で2時間半で到着する。休日なら日帰りも可能だ)

author : clover | comments (0) | trackbacks (0)