地球を癒すウルトラマン(2)
2007.11.25 Sunday | 癒される映像・映画
●ウルトラマンを取り囲む人々
前回に続いてウルトラマンガイアの話題です。
二人のウルトラマン――我夢と藤宮を取り囲む人々とそのやりとりもまた魅力的です。
藤宮には、かつてともに地球を救うための研究を行なった稲森博士という、年上女性の友人がいました。
藤宮も、稲森博士も、悪の心を持った科学者ではありません。我夢たちとは考え方が違うだけです。
藤宮はウルトラマンとなる前から、すでに地球の危機を予測し、稲森博士とともに地球と人類を救う方法を模索していました。
稲森「何を考えているの?地球内部に新しい粒子が発見される可能性は、ありえないのよ」
藤宮「自然治癒力……どんな生き物でも病気にかかれば治そうとする力が自然に働く。もし近い将来、地球に破滅が訪れるなら……」
しかし、いくら観測を続けても、地球を救う力は現われません。
稲森「なにするの!」
藤宮「研究はやめだ!もし地球に自らの命を守ろうとする力が生まれたとしても、それが人類を救う力とは限らない!……むしろ生まれ変わるとしたら、煩わしいものを取り除こうとする方が自然だ」
稲森「……」
藤宮「人類はこれまでに地球に何をした!!いざというときだけ守ってもらおうとするなんて、虫が良すぎる!」
稲森「……怖いの?」
藤宮「ああ、怖いさ。また俺は人類の不幸を発見するんじゃないかってね」
稲森「なら観測は続けるべきよ。可能性を捨てるなんて、愚かなことだわ。そうしなきゃ、あなたは自分の背負っている苦痛から解放されないわよ」
そして観測を続け、最終的に現われた“力”が、藤宮をウルトラマンへと導くのです。
さて、藤宮がウルトラマンとなり姿を消した後も、稲森博士は一人で研究を続けます。
稲森「今度の研究で、ずっとそれを考えていた。
地球の生物たちは、人類の自分勝手さに怒っているんじゃないかって。
きっと、人間一人一人の意識が変わらないかぎり、その怒りは鎮められない……」
そして彼女もまた、地球と人類を救うためには、強引な手段を用いてでも、人間の意識を変えるしかないという結論に至ります。
そして彼女は、パーセルという装置を用い、怪獣のコントロールを試み――そして、怪獣を暴れさせるのです。
(もともとパーセルは、怪獣の動きを止めるために稲森博士が開発したものでした)
稲森「人類は、急激に進化しすぎたわ。このままなら人間は地球を自らの手で破滅に追い込んでしまう。」
我夢「だとしても、どうして怪獣を暴れさせて、人間の意識を変えようとするんです?」
稲森「時間がないの!人間が緩やかに意識を変える時間なんて、もう残されていないわ。残酷な事実を目の前につきつけるしか方法はないの!」
そう言う彼女に、我夢は「きっと人は変われる。どうして人間の可能性から目を背けるのか」と必死に説得するのですが――
稲森「めぐり逢ってしまったからよ。地球の運命を背負ってしまった人・・・青い巨人に・・・」
我夢「・・・知っていたんですか。藤宮が青い巨人だって・・・まさか博士は、自分の手を汚せば、人間の意識が変われば、藤宮が思い直すと」
稲森「今の人類と同じように、彼も簡単には、変われないのよ」
藤宮にはもう一人、気になる女性が存在しています。それは、テレビ局のキャスターである吉井玲子。玲子はひょんなことから、アグル=藤宮であることを知ってしまいます。
藤宮「ウルトラマンは、根源的破滅から地球を救うものだ。」
玲子「ならどうしてウルトラマン同士が戦ったの?」
藤宮「自分がすべきことを分かっているかどうかの差だ。」
玲子「すべきこと?」
藤宮「地球を救うことと人間を救うことは同じではないんだよ。」
二人はケンカをしたり
藤宮「地球を滅びへと導くのは人間の愚かさだ!」
玲子「そんな愚かな人間たちを、どうして助けたりしたのよ!」
和解したり
玲子「ねえ、藤宮君のこと、知りたい。ずっと一緒に居るのに、私、藤宮君のこと何も知らない」
藤宮「話すことは、何も……」
玲子「嘘!藤宮君にだって、昔はいろんな夢があったでしょ?」
傷ついた藤宮を、銃口を向ける軍人から身を挺して守ったり
玲子「人間同士が争って何になるの!憎しみでしか解決できないなんて、悲しすぎるよ!」
(これは“戦争”への痛烈な批判か?)
そんなこんなを繰り返すうちに、まあ恋人同士みたいな関係になるわけです。
玲子「確かに出会いは“偶然”だったかもしれない。でも、出会ったことには、きっと“意味”があるって……」
それにしても、藤宮の
「地球を救うことと、人間を救うことは、同じではないんだよ」
というセリフには、考えさせられるものがあります。人間という立場から見た善と、地球という立場から見た善とでは、同じ善という言葉を使いながら、その意味するものが全く異なっているというわけです。
(続く)
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author : clover | comments (0) | -


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